感染症に関する高度な知識と技術を持つ薬剤師

薬剤師のスキルアップには資格取得という方法があります。取得することで自分自身のスキルアップだけでなく、収入アップや昇進にもつながります。そこでここでは、感染制御認定薬剤師に焦点を当ててご案内いたします。
■定義や目的、実際の仕事内容とは感染制御認定薬剤師とは、感染症に関する高度な知識や技術を持ち、患者が安全かつ安心して診療を受けるための実践を行なうことを定義としています。感染制御における役割として、抗菌薬や消毒薬の適正使用があります。
一つ一つの薬剤の特性を検証し、適切な抗菌薬の選択をしなければなりません。そのため、抗菌薬や消毒薬についての専門的な知識が求められます。また、感染制御では、薬剤の知識だけではなく、感染症の疾患、感染対策、感染対策チームのマネジメント、感染症法などの法規への理解など、幅広い知識が求められます。
これらの知識を体系的に学び、医師、看護師、臨床検査技師、事務職員で構成される感染対策チーム全体で、感染対策を行うことができるようにすることが目的になります。
手厚い手当があるわけではありませんが、感染制御についての専門的な知識があることで、患者の感染症治療や院内感染対策チームにおいて専門的な意見を発することができるというメリットがあります。特に患者との関わりにおいては、患者一人一人の症状や状況に応じた薬物療法や感染症対策について話すことができるため、患者の不安や疑問に自信をもって応えることができるようになります。
また、自分自身の能力を専門性の高い病院や会社内で高く評価されることでしょう。転職を視野に入れる際にも、この資格を持っていることで幅広い職場で有利に転職活動をすることができるので、取得する価値は大いにあります。
問題は全50問からなります。5択の選択式で、問題は基本的な知識からマニアックな知識まで幅広く問われているのが特徴です。例えば、微生物の基礎知識、抗菌薬の基礎知識、抗ウイルス薬の基礎知識、感染症の予防とその治療などに関して出題されています。
合格の基準は非公開ですが、受験者の上位3名の得点平均の75%の点数がボーダーラインとなっている可能性が高いといわれています。例えば、上位3人が全員100点であれば、75点がボーダーライン、上位3人が90点であれば、67.5点がボーダーラインということになります。
合格率は非公開ですが、60%?70%程度ではないかといわれています。普通に勉強していれば、問題なく合格できるレベルの難易度といえるでしょう。。